介護職として働きはじめて約半年ちょっとになります。
今、施設で働くようになり、介護職としてのプロ意識が変化しつつあります。
もし、介護は誰でもできる!と思っている方で、仕事として検討している方の役にたてばと思って自分なりの意見を書いておきます。
介護だけは仕事にできない
私は、義母の認知症介護を通所を含め自宅介護で6年、特養入所で10年の合計16年間という経験を持っています。
実際に、軽度の認知症発症から重度の認知症になるまでの6年間の大変さを知っていますし、特養入所後もいろいろな疾患を患って医師との話し合いの結果、経管栄養という選択をしたことで、口腔摂取ができない状態になった状態までみてきました。
特養では、職員の方々が献身的な介護をしてくださり、面会に行くたびに頭の下がる思いしかありませんでした。
少しの打撲程度でも必ず連絡を下さり、申し訳ございませんでしたと謝りの電話をくださる施設には感謝しかありません。
この当時、周りの友達は何人も老人介護に関わる仕事をしていたため、義母の相談事はすべて友達に意見を求めることができたという環境も手伝って無事に看取りまで終わらせることができました。
このような経緯があって、介護だけは仕事にはできないだろうな…とずっと思っていました。
コロナウィルス禍で変わった仕事環境
元々はフリーター形式で、いろいろな仕事を請け負う仕事をしておりました。
同居していた義父母がいなくなったことで、育児の面で私が自由に動けないとどうにもならない家庭の事情があったので、フリーターという仕事選択は間違ってはいなかったと思っています。
今はフリーターとは呼ばず、フリーランスという知名度も高くなった仕事ではありますが、それでも収入の幅が大きく、不安定な仕事ではありました。
それが大きく変わったのが新型コロナウィルスによる影響です。
時給も条件もよくて、午後からフリーランスの仕事もできるという条件であったため、できるだけ長く雇用していただく前提で勤めていたパート業が観光業でした。2020年2月辺りから新型コロナウィルスの話がちらほら出てきて、3月になったとたん、新型コロナウィルスの影響を受け、月23日程度あったシフトがいきなりゼロになりました。
4月からは先行きが見えないという話がでて、ひとまずは短期雇用してもらえるオープニングスタッフとして2箇所のアルバイトをしました。
そのときにたまたま見つけたのが重度訪問介護という仕事でした。
障がい者の介護ならできるかも
実は、私の卒業した高校では、授業の一貫で障がい者施設での実習というものがありました。
1学期ごとに1週間ずつ、施設を訪問して障がい者施設での介護を経験するというものです。
おそらく、かなり特殊な授業だったと思いますが、非常に楽しくてワイワイしていたのを覚えています。
そんな昔の記憶で障がい者ならお世話できるかもしれないということで、コロナウィルスの影響を受けにくい介護というものを仕事にできたらいいな…ということで、重度訪問介護の資格を取得することにしました。
初任者研修の資格取得で学んだこと
重度訪問介護では、専門の資格取得をすることで、すぐに登録ヘルパーとして働く事ができるという条件で資格を取得しました。
割と早めに仕事を紹介してもらえ、すぐに複数の現場に入ることが決まりました。
しかし、重度訪問介護では、初心者OKという状況であるにも関わらず、いざ現場に入ってみると、スキルがない初心者さんでは超えられない壁のようなものがありました。
周りの先輩方は、もともとが施設や病院などで介護経験がある方が多いため、現場では利用者さんが先輩ヘルパーを頼る姿が度々みられるのです。そんな壁なるものを突破するため、まずは初任者研修を受けてスキルを高め、もっと重度訪問介護の現場に向き合ってみようと思いました。
しかし、初任者研修で認知症の方々の学びを知ったとき、訪問介護ではなく施設での介護をやってみたい!と思うようになってきました。
講師の方々が、リアルな現場の話を聞かせてくれるのですが、皆さん、本当に認知症の方々と接することが楽しいと言うのです。そして、認知症の方々の介護には正解がないので、自分流の介護を経験していってくださいと言うのです。
この本を紹介してくださった講師の方(今後はみきさんと呼びます)は、生まれ年が同じで話しやすい方でしたし、何よりも笑顔が溢れており、介護の話をするときには輝いておられました。本当に素敵な介護士さんだったんじゃないかって。
それを見たとき、私もこの方と同じような素敵な介護士さんになりたいと新たな目標ができたのです。
当時、初任者研修の中盤くらいの頃は、重度訪問介護の法人で社員になるか、新たな介護施設で正社員として就活をするか、この2択を考えていました。
しかし、初任者研修が修了するときには心は決まっており、就活をして介護施設で社員になって認知症の方々に寄り添う介護をやってみたい!と決めていました。
介護職員として働く
介護職員として働きたい!ということで、自分で施設見学をして、職員の方々の雰囲気の良かった施設に面接の申込みをして、すぐに採用をしていただくことが決まり、9月から試用期間ではありますが正職員として入社することができました。
実習で教わったオムツ交換とは想像以上に違い、リアルな現場でのオムツ交換はとてもむずかしいものがありました。
私に仕事を教えてくださった先輩介護職員の方は、大学卒で福祉関係の資格を取得し、老健に勤務していたそうですが、地元に戻り今の職場に転職。介護は15年以上の経験を持っています。(育児休業などの取得で2〜3年ブランクがあるそうですが…)
その方のオムツ交換を見て、まずはすごい手際の良さ、必ず利用者さんに対して声掛け、サクッと終わらせることができるという点では圧巻でした。
しばらくはこの先輩介護員さんと一緒に仕事をして、いろいろなことを教えていただきました。
約半月が経過したところで、リーダーからの直々の指導となり、リーダーもスペシャリストで手際の良さは圧巻でした。その数日後からはオムツ交換は一人でやってもらうと言われ、一人とカウントされシフトが組まれ半月を過ごしました。
その後、夜勤シフトへ入るための準備段階として、超早番と超遅番の2種類のシフトが追加され、別の指導者に引き渡されているのが2ヶ月目の状況です。
このときに指導してくださったのがベテラン介護介護士と若いけどできる介護士の2名。
ベテランさんのほうは言葉がキツイし指導もとても細かいため、1回目でしんどいと思ったのですが、私のために言っていると判断し、全てを飲み込みました。
若いけどできる介護士さんのほうは、ベテランさんはどういう教え方をしたのかと聞かれ、それに反しない形でソフトに指導をしてくださいました。
3ヶ月目になり、夜勤シフトでベテランと若い介護士さんと一緒の夜勤勤務がスタートし、4回のシフトを終えてからは独り立ちとなるそうです。見事に新しいシフトは私は独り立ちしたものとみなされて夜勤者2名の体制でシフトが組まれていました。
ただ、ベテランと若い介護士さんのシフトに合わせて夜勤を行うようで、他の方々と夜勤をするのはまだまだ先のことになるようです。