介護職

重度訪問介護の仕事内容/私が体験したことをまとめてみる

重度訪問介護という仕事に就きました。

どういう仕事をするのか、勤務時間はどうなのか、給料はどうなのか、など体験したことをすべてまとめてみます。

 

重度訪問介護従業者養成研修統合過程の資格

重度訪問介護という仕事について、私も全くの知識がない状態で資格を取得しました。

私が資格を取得したのがコロナウィルスが蔓延していた4月のことで、3月の講義は延期という状態だったそうです。そのため、待ちきれない方々がキャンセルをしてくれたようで、滑り込みで申し込みをすることができました。

 

ヘルパーとして働くことを前提に、重度訪問介護従業者養成研修統合過程という資格を無料で取得することができます。

資格取得までの期間は2日間。このブログを書いている時点では、3日間に変更になったそうです。

12時間の講義を2日間、つまり24時間の受講が必須で、その中でもかかるそうです。

 

4月に資格取得をし、5月のゴールデンウィーク明けからすぐにお仕事をスタートすることになりました。

 

 

重度訪問介護の仕事内容

重度訪問介護の仕事内容は、基本的に訪問介護の仕事内容と変わりはありません。

体位交換、オムツ交換、食事介助、外出同行、生活に関わる支援、などほぼ訪問介護の仕事と同じです。この他にあるとすれば見守り(待機時間)は重度訪問介護の特徴になります。

しかし、通常の訪問介護の他にできるケアがあり、それが統合過程というもので取得できる医療的ケアになります。

 

医療的ケアとは?

介護でできる医療的ケアとは、喀痰吸引、経管栄養になります。

通常、訪問介護では医療的ケアはできないのですが、特定の利用者さんのみにできるように都道府県が認可を出すことで、医療的ケアをすることができるようにした比較的新しい資格がこの重度訪問介護従業者養成研修統合過程です。

ただし、この統合過程を受けたとしてもいきなり医療的ケアができるわけではなく、看護師による実地指導を受けて、人体模型でのテストと利用者様の実地で合計2回合格をもらわないと都道府県に許可申請をすることができません。

 

重度訪問介護の仕事は、介護経験のある方ならばさほど大変なことはないでしょう。ただし、1回の支援時間が長くなり夜間の勤務となると、待機時間(見守り)という勤務状態となります。

利用者さんによっては、13時間の勤務時間の中で、約半分の6〜7時間が待機(見守り)となることがあり、その間、いつ呼ばれても対応できるようにしておかねばならないというのが仕事です。

待機時間は基本的に何をしていてもいいとされていますが、

  • 仮眠を取る
  • トイレを使わせていただく
  • 飲食をする
  • スマホを使う

などすべて許可をもらって待機時間を過ごすことになります。

利用者さんによっては別室で待機してほしいという方もいれば、同室で待機してほしいという方もいます。

 

 

同室の場合、利用者さんからもらう苦情は

  • 仮眠を取る際のいびき、歯ぎしり
  • スマホの明かりが眩しい
  • ゴソゴソと音がうるさい
  • 黙って部屋を離れた

など

こういう一つ一つに気を遣いながら支援をしていくことになります。

 

 

重度訪問介護の実際の仕事の流れ

重度訪問介護の仕事は、ほとんど夜勤がメインとなりますので、出勤時間は指定された時間の5分前に玄関ドアについていれば問題ないと教えられています。

あまりにも早く着いてしまうことで、ご迷惑をおかけすることになりますので、早くても10分以上前にはつかないように調整をして伺うのがマナーです。

 

【例】夜20時〜翌日9時までの勤務の場合

20:00  入室 手洗い、うがい 全体の申し送りノートの確認

20:10  排泄介助、着衣介助、整容、服薬介助

21:00  吸引、吸引ボトル洗浄、寝る前の体操、ポジショニング

22:00  就寝、消灯、後片付け(ゴミをまとめる等)、翌日の準備

23:00  待機時間(別室待機)

1:00  排泄介助、体位交換

3:00  体位交換

5:00  起床、排泄介助、吸引、服薬介助、パソコンセット、清掃、ゴミ出し、洗濯など

7:00  朝食介助、服薬介助、整容、排泄介助、着衣

9:00  記録、退室

 

9時になると、訪問介護の方が来られますので、ノートに記入し、口頭で申し送りをして帰ります。

2時間おきの体位交換がある現場だと2時間以上の仮眠はできませんので、1時間ごとに寝て確認、呼び出しのアラームが鳴ったら起きて体位交換という感じです。

 

 

重度訪問介護の1回の給料は?

重度訪問介護ですが、アルバイトで入った場合、時給1,000〜1,500円くらいの求人が多いです。時給にプラスして夜勤手当をつけているところもありますが、夜勤手当込みで1,500円の方が稼ぎやすいですね。

私は時給1,000円で夜勤手当1回につき5,000円という形でしたので、13時間の支援に入ると18,000円の給料がもらえます。

シフトは考慮してもらえるなら、2〜3日連続で支援に入ることができれば月に20万円という稼ぎになりますので、比較的稼ぎやすいはずです。

 

 

重度訪問介護の働きやすさと働きにくさ

重度訪問介護の現場の働きやすさは、利用者様によります。

これが働きにくさの面になると、色々あります。特に、難病を患っている方ですと、肢体不自由な状況の他に言葉が話せない方もいます。文字盤などで話を聞き取ることになりますので、コミュニケーションの取りにくさでストレスを感じています。

こちらが文字盤を読み込みできないと、利用者様はイライラしてきます。やってほしいことが伝わらないため、段々と起こってきて、涙を流し訴える方もいます。

最初に難関だと感じた点です。

 

 

また、同居しているご家族がいる場合、いろいろな苦情がきます。トレイが汚れていた、床に傷がついている、マナーが悪いなど、利用者様のお宅に合わせたルールを守って支援に入ることになります。

この部分に関しては、私も実際に支援に入ってみて働きにくいと感じた点です。

 

そして、一番困ったことは、レスパイトケアで入院をすることになった場合、シフトがゼロとなり、収入がなくなるところです。他の支援と平行して勤務していればさほど困ることはないのかもしれませんが、1人の利用者さまとしか関わっていないと、シフトがない=給料がもらえないという状況になります。

この部分はサービス提供責任者とよく話し合いを行っておかないといけない点になるでしょう。

 

このように重度訪問介護という仕事は、常に求人が多く出ていて、割とすんなりと仕事を斡旋してもらえるものの、実際に支援に入ってみると、想像とは違った働きにくさを感じてしまったというのが私の個人的な意見です。

 

転職を決めた最大の理由が、利用者様があまりにも先輩ヘルパーと比べてしまうことで、私自身が精神的に耐えられないという部分でした。

支援に入って3ヶ月目くらいになったとき、前回は何も言われなかったのに「やり方が違う!」と怒られ、「先輩ヘルパーに聞いてきて!」と言われたことです。

これを上司のコーディネーターに伝えたところ、「そのままで大丈夫だから…」の一言で終わりました。

 

先輩ヘルパーは介護職員として施設で勤務してきた経験がある方で、とにかくなんでも上手にできる方です。その方と介護歴3ヶ月の私に同等のスキルを求められてもいきなりスキルアップはしませんし、すぐに先輩ヘルパーと同じ支援はできません。

 

この件があってからすぐに転職を決め、今の法人の特別養護老人ホームで正職員として働くことにしたのです。

今、転職して2ヶ月になりますが、本当に良かったと思っています。

 

 

 

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